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バッテリの知識
?関東小型船安全協会講師 高橋久夫
バッテリは船の照明、警笛、ラジオ、スタータ、ガソリンエンジンの点火プラグなどの電源として使われています。比較的故障も少なく航行中は自動的に充電・放電が行われている関係もあってかバッテリについて無関心な方が多いようですが、航行中にバッテリが故障すると、船の機能が停止して航行不能になり、海難事故につながる恐れがありますので、日常の点検・整備を忘れないようにして下さい。

1.バッテリとは

イオン化傾向の異なる二種類の金属(電極)と電解質(電解液)で構成されていて、外部からの電気エネルギーを化学的に蓄え、必要に応じて再び電気エネルギーとして取り出すことができるものをバッテリ(電池)といいます。
バッテリには、蓄えられている電気を取り出して使ってしまうとその寿命が終わり、再び使用することができないものと、外部から電気を補充することで再び電池として使用できるものがあります。
一度だけしか使えないものを一次電池といい、懐中電灯、携帯ラジオ、小型のテープレコーダなどに使われている乾電池がそれにあたります。外部から電気を補充してやれば、何回でも繰り返し使用できるものを二次電池といい、船や自動車などの電源として広く使用されています。
2次電池には?大きな電流を安定して取り出すことができる?高電圧を作りやすい?コストが安い?構造が簡単であるなどの理由から鉛電池が最も一般的に使用されています。
電池から電気を取り出すことを放電といい、放電した電池に電気を送り込んで元の状態に戻すことを充電といいます。

2.バッテリの構造

バッテリを構成する部品とその構造について説明します。
(1)極板と極板群極板はバッテリの最も重要な部品で、過酸化鉛の陽極板(+)と海綿状鉛の陰極板(−)を組合せ、電解液との化学反応により約2.1Vの起電力を発生します。
この電圧は陽極板・陰極板の大きさや、その

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